いよいよ今回から下山の話
前回までは伊勢原市の大山阿夫利神社の頂上に登頂した所までを書きました。
もともとの準備不足の為に、飲み物・食べ物は何も無く体力的にも限界を迎えています。さらに予定より30分も遅くなって「下山開始は16:00過ぎ」です。
そして、携帯の充電が切れている状態です・・・
前回の記事はこちら
第3章 頂上からの下山 遭難や死を考えるまで 〔前半〕
※今回から写真がありません。携帯の充電が切れてしい撮影が出来ずイメージ画像か流用です。
16:05 下山 開始です!
下山を開始する前、山頂で出会ったカップルが言っていた言葉を思い出します。
『17時までに下社に戻ってケーブルカーで帰ろうね』
たしかこんな事を話していました。
思ったんですよね・・・
ケーブルカーって何時まで動いているの?
現在神奈川はまん延防止期間中だし、もしかしたら終わりも早いんじゃないの??? 一気に不安になりましたが、あいにく携帯の充電切れのせいで写真に撮った時刻表も見れません。
頂上で出会ったもう1組のガチ勢2名さんに聞けばよかったのですが、自慢じゃないが1人で大山に登山に来るぐらいのコミュ障ですよ!聞けるわけが無い!
聞けるわけ無いよね・・・。というか、聞いてもどうしようもないしとにかく今は急いで下りるしか無いので、先に出たカップルに遅れる事10分 下山開始です!
しかし山頂に最後にきたガチ勢2名さんはまだ上で写真とか撮ってるけどケーブルカーはつかわないのか?装備もちゃんとしてるし普段から登山慣れしているようだし平気なのか??
16:15 体力と心の限界が近いです・・・
まだ山頂付近は若干歩きやすかったですが直ぐに岩石地帯になり、下山しながら思った事は「杖」が欲しい!!(よく登山者が持っているスキーのスティックみたいなヤツです)
登るのと違って下る時の岩の高さが本当に怖い!常に下を見ながらなので踏みはずしでもしたら大怪我しそうだし、なにより既に体力も限界なので足がプルプル痙攣してます(日頃の運動不足の出不精なめるなよ!)
そんな過酷な下山ですが、唯一の救いは来た道を戻るだけなので知らない道では無い事。この先には何があるか分かるだけでもだいぶ気が楽になります(時間が無いという焦りはあるけど!)
携帯の充電は切れいてますが幸い腕時計はつけていたので時間は分かります。
確かパンフレットには登頂までは90分の道程で下山は60分と書いてあったと思いますが、そもそも登頂の時点で(休憩しながらだったので)90分の道程を120分かけています。
必然的に下山が60分でいけるか怪しいですが、既に16時を過ぎており17時までにケーブルカーを目指す為には多少無理してでも急がないといけないです。
心の中では『絶対にケーブルカーを使う!』と叫び、初め値段が高いとか思ってすいません!むしろあの値段は安かったのだ!と後悔しまくりです・・・
下社にあったミシュラン2つ星のカフェ「石尊」の抹茶ティラミスのお値段も高めでしたが、今なら分かる!あれは適正価格だ!むしろ安かったのだ!あの時ちゃんと栄養補給していれば・・・。
むしろ何で自分はこんな所まで登ってしまったんだ・・・今日はハイキングの予定だったのに、コレはガチ登山じゃないか!
大体この大山って途中で1000mって標識あったけど
人生で1000m越えの山に登った事ないわ!!!(後で調べたら大山は「1252m」でした)
昔小学生の頃に千葉の「のこぎり山」に登った事ぐらいしか登山の思いでは無いです。
のこぎり山は後日調べたら標高「329m」東京タワーより低かったわ!!!!!
こんな事を考えながらふらつき下っているとついにやってしまいました・・・
16:20 左足を『捻挫』 しました!
大岩の上に降りた際、革靴が引っかかり左足の甲部分を本来曲がらない方向へやってしまいました。
やった瞬間大岩の上で直ぐに座り、転げ落ちないようにしゃがみ込んでもだえ苦しみました。
痛めた箇所は足首ではなく左足の甲の部分。
ここを本来曲がらない方向に曲げてしまったのですが痛み的に折れてはない!無いはずだ!無いだろう!? と思いたい・・・。けどしばらくは動けなかった
数分経ち冷や汗が寒さを感じるようになったぐらいで、痛みを我慢し動きだします。
もう少し休みたかったですが、まだ半分も下りていません。
頂上付近なので進まないと何も出来ないし足首ではなかった分、半歩づつですが動けます。(周りに杖になりそうな枝などを探しましたが冬のせいなのかまったく無い!)
軟弱者なのでこの時本当誰か助けてと思いましたが、冬の山で時間も遅いので誰もいない・・
もう上がってくる人もいないし、上にいた2名も下りてきません・・・・
(後日知ったのですが別ルートで下りられる道があったそうです。もっとゆるやかだけど時間がかかる道が!)
足を引き摺りながら、木の幹や大岩にしがみつき右足から慎重に下りて行き、少し平らな開けた場所に出ると休みながら下りました。
登る時は気づかなかったのですが注意看板に「蜂注意!」や「熊目撃情報あり」などが書いてあるし・・・マジですか?この情報いつごろの事よ??
16:35 本当に無事にかえれるの??
携帯さえ使えれば最悪助けを呼ぶ事も出来たのに充電切れです。
こんな時に気づいちゃうのが悪い事『今日ここに来ていることを誰にも伝えていない!』と言う事実
最悪の最悪、もしここから滑り落ちたりして動けなくなった場合どうしようと不安になり急にそれが現実的に思えてきます。あたりも少しづつ日が落ちてきて昼間は明るかった森の雰囲気が静かで寒々しい雰囲気に変わっていきます。
周りの太い木や大岩、登山者が積んだ積み石も昼間とは違い不気味に見えてしまいます。もういっそ思い切って斜面をお尻ついて滑り降りたほうが早いし痛くないのでは?等と考えるほど疲弊していました
まだ下山開始30分ほどですが山で1人というのはこんなに怖いのだと始めて知りました。
しかし不安が高まるとそこから逃げ出したくなるのが心情で、急がなければ!いかなきゃ!思いを口に出しながら(どうせ誰もいないしそれどころじゃなかったので)進んでいきます。
この頃にはアドレナリンが出ていたのか痛みもだんだん麻痺してきた!(気がします)
16:45 10丁目まで下山してあと少し!
登った時の記憶からこの○○丁目は29丁目が山頂だったので、あと3分の1だと分かります。そして10丁目付近から少し岩も小さくなり歩きやすかったと思います。
しかしここまで来るのに既に45分たっており、17時まで後15分です。正直無理じゃないかという思いが強くこの頃の心情は18時までケーブルカーは動いているよね?いや動いてて!!
下社のカフェ「石尊」のスタッフは店が17時で閉まったとして店員はケーブルカーでおりるよね??等と考えていましたが完全に願望です。どうか・・頼む!!!
17:05 下社の階段まで来ました!
17時過ぎましたがボロボロになりながらもスタートした「階段」まで辿り着きました(下社)
ここまで大体1時間です!登りで120分掛かった道程を!足を捻挫しているのに60分で下山!しかも朝から飲まず食わずで!本当にすでに死にそうでしたがやり遂げたんだなと思いました。
最後の石階段は非常に急斜面ですが手すりがあるのでしがみつきながらゆっくり下ります。
この下の下社なら誰か人もいるだろうし飲み物、食べ物もあるだろうし。
まずは休息してケーブルカーに乗って下までおりよう・・。今日は絶対夜は外食で贅沢に食べよう!出来れば近くの銭湯にでも行ってゆっくり休もう!と妄想してました。
だけど・・・・・
・・・・
17:15 人がいない!電気がついてない!
下社は既に17時15分だったせいか誰もいませんし明かりもついていません。足を引き摺りながらケーブルカーと自動販売機があったであろう場所を目指しますが、自動販売機は板で覆われ買えない!
ケーブルカーは・・・「17時発が最終」でした・・・
こちらも既に電気もついておらずスタッフは誰もいません。
辺りはすでにだいぶ暗くなってきています。来る時はここまで「女坂」を1時間かけて登ってきました。
今は来る時と違い体力も限界だし足も痛めてる。補給も出来ず・・・。本当にどうしよう・・
下手に動くよりは下社の神社に緊急連絡手段あるんじゃない?と考えましたが、入り込む勇気もなく結局ここから更に山道を通り下山をして行くのです。
ただ、もう、今から山道を1時間も歩きたくないし歩けるとも思わないぐらい疲れてました
次回 下山編 〔後半〕
長くなったのでここ下社からバス停までの下山編〔後半〕へ続きます。
ここまで読んでくれて有難う御座います。あと少しだけ続きます。
是非ランキングボタンを押してくれると嬉しいです!!
登山だけじゃなく万が一の時用に十徳ナイフと「折りたたみ杖」は携帯しておくべき!
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