山をなめるな!△遭難しかけて死にかけた△その5

日常の出来事!!

前回の続きと今の状況

下山を開始!!捻挫しながらも山頂(1252m)から下社(700m)まで下りてきた!

時刻は17時過ぎで回りには人もいませんし日も落ちかけています。

だけど日没の時間も分かりません!だって携帯の充電もなくなっていて通信手段無し!

そして山に来ている事を誰にも伝えていません!助けは来ない・・・。

前回のブログはこちら・・・

では、最後の下山に関して書いていきます。..

第3章 頂上からの下山 遭難や死を考えるまで 〔後半〕

ケーブルカーは終わってしまい仕方なくバス停まで歩いて下山し無ければ行けません!

今いる下社でもまだ標高700mだそうです。(過去に登った事のある山は千葉県の鋸山330m、東京タワー333m、スカイツリー634mです!)下山にはまだ時間が掛かります。

これケーブルカーは終わっているけど、駅行きのバスはまだあるの?ケーブルカーの最終が17時だから18時まではある?・・・勝手な想像をしていきます。

時刻は17:15だし急げば間に合うんじゃないのか!!!??(願望)

17:15 女坂か男坂か・・

伊勢原駅行きのバスが何時までかは調べられないけど、ケーブルカーの最終時刻から考えて18時付近まではあるだろうと予想して急いで下山を開始します。

この時点であせりから冷静な判断はできていませんでした。

その結果

 初めての山道『男坂』を選択する今日最大の失敗を犯します。

(コレがいけなかった。本当に・・・。)

そもそも「男坂」とは?

バス停近くのケーブルカー乗り場から大山の中腹にある下社までの道で「時間はかかるがゆるやかな女坂」と対をなす「早いけど急な男坂」とされる2本の道のきつい方です。

時間はどのくらい違うのか?女坂40分に対して男坂は30分です

なおケーブルカーだと6分だと!これ書いてる時に知ったけど・・・

本当に・・・乗るべきだった!!行きも帰りも!!!!

18時までにバス停を目指すとなると麓のケーブルカー乗り場まで20分ぐらいで行き、そこからバス停まで20分ぐらいで行く必要があります。

そうすると必然的に男坂しか考えられなかったのです

男坂と女坂の分かれ道の処の看板には、見えづらいですが『男坂は外灯が無い為 夜間歩行禁止』とあります。しっかり気づいていましたが、そのときの自分はただただ早く下山したい一心!そしてこの現代社会でまさか本当に外灯がない山道などないだろう!?

本当にだめならチェーンか何かで道をふさぐよね??

看板に書いてあるんですよ。事故多発!外灯無いと!!!

17:20 男坂を下り始めて直ぐに・・・

ただただ、後悔!!!

凄い急な階段!手すりも無ししかも長い!

階段の段差もすごく高さがあります。そして暗くなり始めていて下まで1本道がみえるのかと思ったら、崖に階段をつけたような形で進んでみないと次の階段が見えない作りになっています。

そして階段以外の場所はかなりの急斜面で絶対滑り落ちたら怪我した足では這い上がれない程です。また森の木々で夕日がさえぎられほとんど前が見えないぐらい暗くなり始めました。

5分間、男坂を下っ時には「引き返して女坂でいくか?」本当に迷いました。

だけどここでも冷静な判断ができなかった為、

もう5分だけ下りてみよう!もしかしたらその先は1本道で手すりとかあるかもしれない!

等と勝手に考えてしまっていました。コレが始めての山道じゃなければ引き返せたのに・・。

ですがそんな訳も無く、10分下りたら「もう今からこの階段を上るのは無理だ」と気づきました。

だって、かなり暗く急な階段です。万が一、躓いたりしたら転げ落ちて絶対死にます。

もう、前に進むしか、このまま下るしか選択肢がなくなってしまいました・・・。

17:30 男坂の道の全貌が分からない・・・

日没間近で急な山道。しかも始めての道をなぜ選んでしまったのか・・・疲れや時間のプレッシャーで冷静な判断が出来ていないとはいえどんどん悪い方向に向かっていると感じます。

携帯の充電も切れてて手持ちにライトやライターなど光を出せる物がありません

冷静に考えれば40分の道の代わりに30分で行く道は、急な段差の山道と分かるし光源も無いのに日没まで数分の状況で初めての山道、男坂へ行く理由は全く無いです。

この頃にはもう階段を下りた先の少し開けた場所で朝まで待ったほうが安全なのではないか?と真剣に考えています。

下手に階段の途中で暗闇になった場合、どんなアクシデントに合うかわからないし、もう少し開けた場所で休んで朝5時の明るくなってから進んだ方が良いのではないだろうか?

すでに階段を「立って下りること」は難しく、四つんばいで足から手探り(足探り?)で一段一段しがみつきながら降りています。そしてそんな時です

「ガサガサ」音がします。

誰か人が来てくれたのか!やっぱりなんだかんだ行っても現代日本だし、登山者の安否確認的な何かで最後の見回りがいるのか!!助かったか?!

・・・・・

・・・

15匹ぐらいの鹿の群れでした。

めっちゃ目が光って見えるんです。そしてこちらは這いつくばっているから目線は鹿のほうが高いです。

鹿は上から階段を下りて来たのではなく横の急斜面から自分の直ぐ上を走り去っていきました。

いつの間にか近づかれた鹿の群れは流石に驚きました。

明るければまだしも夕暮れ時では非常に怖いです。「熊」注意の看板もあったしイノシシもいるだろうと思います

本当、もう無理だなと。

17:40 助けを呼ぶには?死ってなんだろう?

後数分で日没だと思いますが、森の中なのでほぼ暗闇状態です。しかし目が暗闇に慣れてきていたおかげで階段の下までは行けそうです。

もうどうしようもないのでこの階段の下の処で野宿しかないと決断します。

これを野宿というのかと言われれば、野宿ではないですね。

きっとこれ遭難と呼ぶのだと思います。

ただ野宿(遭難)をするといっても今は1月末(1月29日の出来事です)

この「服装で耐えられるのか?」木を背もたれに眠れば「眠れるのか?」崖に「落ちないような場所は確保できるのか?」他にも「何で今日ここに来ちゃったんだ?」なぜ行き方を調べる時に「帰りの時間を調べなかったんだ?」「なぜ男坂を選んだ?」「なぜ最後引き返さなかった?」時間が掛かっても「なぜ安全を優先しなかったんだ?」

ひたすら自問自答しながら今までを反省しました。

ただ浅はかだったのだと!

山をなめていたのだと!

もし熊に会えば絶対助からないだろうし、崖に滑り落ちたら誰にも見つけてもらえないだろう

山に来ている事は誰も知らないし、頂上からここまで誰とも会っていません

本当に朝までの12時間ここで過ごせるのか?

大声で叫んでみたりしましたが反応はありませんし、最後の手段で携帯の電源をいれ友人にラインを数文字、もしくは110番にかけて簡潔に状況を伝えるか?とも考えます。

山の厳しさを初めて知りました。

  何を食べたい?何処に行きたい?誰に逢いたい?何を遺したい?

一通り最悪の事を考えて心細い思いをしているとどんどんマイナス思考になるので、生きて帰ったら何をする?を考えるようにしだしました。

少しでもプラス思考にしないと本当に危険だと、あきらめたくなってしまうので。

寿司を食べたいし、老後のためと貯蓄をしたり節約したりしてるけどもっといろいろ体験しておくべきだった。海外とかもっと見て回りたい。子供もいないけど兄弟や甥っ子たちに何か残してあげるべきだった。

帰ったら、生きて帰ったら、実行しよう!ちゃんと伝えよう!今までの感謝を!

本当にこんな事を、真剣に考え出していました。四つんばいで階段を手探りで下りて平らな場所のここで、これ以上は無理だなと。

17:50 階段の終わり・・・

今いる階段を下りて平らな場所についてから、念のため次の階段を探してみました。

そうしたら、見えたんです!

民家が!

明かりは既に消えていますが今いる場所から10mぐらいの階段を下りたら、朝来た『こま参道』に出ることが出来ます!暗闇で時計も見えなかったですが30分が過ぎていて男坂を下りきったようです。

最後の階段を見つけて安心できたせいか力が抜けてしまいました。

階段の上を這いつくばりながら一段づつ下りていきます。

もう帰りのバスはなかったとしても、電源借りて携帯を復活させれば友人も呼べるしタクシー呼んで帰ることも出来ます。

帰れるんだ!! と心から思いました

そしてうれしい事は続き階段を下りた先にあったんです

ジュースの自動販売機が!!!!!

直ぐに「スポドリ」「りんごジュース」「炭酸飲料」の3本を買い、胃に優しそうなスポドリを飲んで、栄養と糖分の補給にりんごジュース。最後に喉の渇きと胃を膨らませる意味で炭酸を飲みました。

20分ぐらいそれから動けなかったです。

もうね、ただただ安心しました。

18:30 バス停にて・・・

こま参道からバス停まで歩くと10分(今の状態だと20分かな)ぐらい掛かりましたが少し休んでからゆっくりバス停に向かいました。

バス停に着いてみると時刻表もあり、見るとバスはまだ走っているようです。地元の人も使うバスなので20時ぐらいまでありました。

これで無事に家に帰る事が出来たのですが、本当にもう2度とこんな事はしません!

山に行く時は行き方よりも帰り方、帰る時間を調べ計画する事が重要!怪我を含めたトラブル対応できる準備も必要!そしてなにより「連絡していく事」が一番重要です。

絶対に無計画に行動してはいけない!

今回はたまたま運がよく戻れましたが、怪我がもっと酷かったり日没が少し早ければ本当に戻れませんでした。(後1回だけ後日談をそのうち書くかもです)

最後まで読んでくれて有難う御座います。

後日知りましたが、登山の知識は持っておくと便利です!

簡単な本でも使える情報が沢山あります。

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